3月の生協品質「コープ・とがんまい」

便利なだけじゃない。おいしくてお得な「とがんまい」

とがずに炊ける、生協コープかごしまの無洗米「とがんまい」。洗米の手間が省ける、水の使用量を減らせるなどの理由から、組合員の間で最も支持の高いお米です。まだ使ったことのない人からは、「便利なのはわかっているけれど、味はどうなの? ちょっと割高なのでは?」という声も。しかし、商品について調べてみると、便利さだけでなく、おいしさ、お得感でも満足させてくれるお米であることがわかりました。

 

日本人の主食であるお米。ひと昔前までは、お米はヌカを落とすために「研いで」から炊くのが当たり前でした。しかし冬場は冷たい水に触れるのがつらく、またとぎ汁と一緒に流れてしまうお米を見て「もったいない」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
それらを解消してくれるのが、生協コープかごしまの「とがんまい」。姶良、さつま、伊佐の産地指定米ひのひかりを使用した、その名の通りとがずに炊ける無洗米です。便利さで注目されていますが、実はこのお米、本来のうまみが味わえて、経済的でもあるのです。その上、子どもでも簡単に炊くことができ、水の調達が懸念される自然災害時やアウトドアでも大活躍します。

「とがんまい」の精米工場、鹿児島パールライスを訪ねました。鹿児島市南栄にある「鹿児島パールライス」の精米工場では、原料玄米を品質、衛生の徹底管理のもとで精米しています。

案内してくださった事業部製造課次長の武田雄一さんによれば、無洗米にはさまざまな精米法があるとか。「とがんまい」はそのうちのBG精米製法によってつくられる「BG無洗米」です。Bran(ヌカ)とGrind(削る)の頭文字をとったBG精米製法は、もともと米についている“肌ヌカ”の粘着力を利用して、ヌカでヌカを取り除く方法。米表面のうまみ層や栄養素は残るので、ひのひかりの粘りや甘さといった個性を存分に味わえるご飯が完成するのです。ただ水加減には注意してくださいね、とアドバイスいただきました。
 「『とがんまい』は普通精米よりも値段が高めですが、よく比べれば経済的なんですよ」と武田さん。

その理由は2つあります。一つはヌカを取り除いてから袋詰めにされるので、お米自体の内容量が多いこと。5キロ入りならお茶碗3杯半分多く入っています。もう一つは水の使用量でわかります。これも5キロの普通精米と5キロの「とがんまい」を炊飯するのとでは、50リットルもの差が出るとか。洗米の手間が省けること、河川を汚す原因となる米のとぎ汁を出さないことなども含めると、暮らしに取り入れたいメリットがたくさんあることに気付かされます。
 毎日いただくものだから、おいしく、環境やお財布にもやさしいものを。これからは、とがないお米「とがんまい」が主流になるかもしれません。

(取材・原稿 上村麻里亜)

とがんまいの理由

◆「鹿児島パールライス」の武田雄一さん(写真左)。「お米は人の肌と同じ。表面を削ることなく、やさしくヌカを取ってあげるのが重要なんです」。

 

◆(写真右)右は普通精米、左は「とがんまい」。精米技術が向上し以前ほどはわかりにくくはなっているそうですが、肌ヌカが取り除かれた「とがんまい」はやはり白度が高いです。

 

◆精米後のお米は品質検査室で白度や水分、粒の状態などのチェックを受け、これをクリアして初めて製品として出荷されます。

 

◆BG精米製法によって取り除かれた肌ヌカを加工した「米の精」。作物の肥料や家畜の飼料に再利用されます。