お米の生産政策に関する要望書を政府に提出しました

鹿児島県の米はコロナ禍で外食を中心に消費が減ったこともあり、2020年産の在庫が余剰の中、2021年産の収穫時期とも重なり県内の米の在庫が過剰となる状況が発生しています。

米の生産者は再生産価格を下回る価格となり、鹿児島県の生産者においても、今後の生産にも影響が出かねない状況となっています。

 

生協コープかごしまでは、鹿児島の米の生産者が将来に向け、米を引き続き生産できるよう、国に対して日本の農業を守り日本の食料自給率向上を求める趣旨の、下記の要望書を送付しました。

組合員とともに鹿児島の米を守る運動を進めます。

 

 

内閣総理大臣  岸田 文雄 殿

農林水産大臣  金子 原二郎 殿

 

日本の米生産が将来に向けて持続可能となるような政策を強く要望します

 

日本の農業の中心的な担い手はこの20年間で240万人から136万人に減少しました。担い手の約50%が70歳以上という状況です。このような現状の中で、日本人の主食である米価は暴落し、米の生産地、米農家は大きな打撃を受けています。暴落の原因としてコロナ禍による需要の急落で過剰在庫が積み上がりましたが、政府はもっぱら生産者に犠牲を強いる減産や転作の政策を押しつけてきました。

 

昨年、政府は令和3年(2021年)産米の生産を前年より36万トンという過去最大規模で減らす必要があるという指針を示し、米農家の自己責任として達成するよう自治体や農業団体を通じて迫りました。米農家に多大な負担と苦痛を強いることでほぼ達成されましたが、コロナ禍が長引き、過剰在庫は解消どころか積み上がる一方でした。

 

さらに政府は在庫として残る令和2年(2020年)産米に15万トンの特別枠を設け、令和4年(2022年)秋以降まで長期保管し、保管料などを支援するという方針を打ち出しました。しかしこれは販売を先送りさせるだけであり、販売時には古古米として値引きせざるをえません。令和4年(2022年)産米がさらに減産を迫られるのも必至です。いずれも農家の損失、負担を増やすものです。これまで政府は過去最大の減産を押し付けながら、需要の1割に及ぶ77万トンものミニマムアクセス米の輸入を続けています。工業製品輸出と引き換えに農業を犠牲にするのではなく、日本の米作を守るためにはただちにこの輸入は中止すべきだと思います。

米価暴落を止め、回復させるには、政府が米の緊急買い入れを実施し、過剰在庫を市場から隔離することが必要です。買い上げた米を、コロナ禍で生活に困窮する人々や学生、子ども食堂などに大規模に供給する仕組みをつくれば、生活支援に役立ちます。

日本の農業を守りカロリーベースでわずか37%の日本の食料自給率の引き上げと誰ひとり取り残さない持続可能な社会を実現していくために、生産費がまかなえる米価を実現し、主食である米の需給と価格安定にただちに取り組んでいただくこと、ミニマムアクセス米の輸入について直ちに中止することを私たちは強く要望いたします。

 

 

2022年1月27日
生活協同組合コープかごしま理事会