4月の生協品質「産直豚」

顔が見えるって こういうこと。

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やわらかくて食感がいい、くさみがなくて脂が甘いと評判の、生協コープかごしまの「産直豚」。この豚の品質や美味しさは、指定生産者と組合員の間で交わす「二者認証制度」の約束によって守られています。つまり、誰がどのように育てたのか、誰が食べるのか、ということが互いに確認しあえるということ。今回は指定生産者と組合員で座談会を行い、「産直豚」について語り合いました。

 

写真左が平信雄さん、中央が奥様の道子さん。交流の多いさつま産直委員会のみなさんとの座談会は、笑い声が絶えません。生協コープかごしまの「産直豚」は、JA北さつま、JA鹿児島きもつき(南州農場)の5組の指定生産者によって支えられています。今回、さつま産直委員会の組合員と、「産直豚」指定生産者の平信雄さん・道子さん夫妻とで座談会を行いました。同委員会と平さんは日頃から交流する機会があり、「お久しぶりです」と挨拶を交わして和やかな雰囲気で座談会は始まりました。


 さつま町で養豚業を営む平さんは「産直豚」を手掛けて約25年。産直豚は豚に与えるエサや育て方にルールが設定され、生産者には負担もあるように見えます。まずは平さんから産直豚の生産を始めた背景をお聞きしました。

「引き受けたのは純粋に興味があったから。価格が変動せず、誰が食べるのかが決まっているのは生産者にはありがたい。同時に出荷した後のこともいっそう考えるから、責任を強く感じます」と信雄さん。

生き物を扱う仕事は、作業を明日に延ばすことができません。体調の悪い豚をいち早く発見し、早期で治療することが健康で品質の良い豚を育てる秘訣だそうです。何百頭もの中からでも不調な豚はすぐに見分けられなくてはならないこと、豚の病気の流行時期には生産者も外出を控えなければならず、それが半年近く続いたこともあるなど、平さんのご苦労や努力に触れ、組合員からは驚きの声が上がりました。

「このような交流があるおかげで、生産者の方々が一生懸命お仕事されているのがわかるから、ただの食材がそうではなくなる。私たちは生産者を信頼して商品を選んでいるんですよね」という組合員の平川さんの言葉を受け、「そう言ってもらえるのがうれしくて、『てげてげ』な仕事はしてはならないという気持ちになります」と信雄さん。「美味しい」「くさみがない」「焼いたときのにおいが違う」といった組合員からの声は励みであり、自分の豚の個性を知る機会でもあると言います。
 消費者の顔を想い浮かべながら豚を育てている指定生産者がいるからこそ、私たちは安心して「産直豚」がいただけていることを実感しました。
(取材・執筆 上村麻里亜)

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【写真右】平さんの豚舎の様子。現在は信雄さんと道子さんご夫婦と息子さんの3人で約620頭の豚を育てています。豚の健康のために掃除を徹底しているため、においはほとんどありません。(写真撮影は2012年)
 


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【写真左】座談会の後は、平さんの「産直豚」料理が振る舞われました。やわらかくて甘味がふわりと広がる厚切り肉のしゃぶしゃぶ、旨みを閉じ込めたチャーシューの美味しさに感動!

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二者認証制度とは

◆生協コープかごしまの「二者認証制度」
産直品の生産から私たちの食卓に届くまでの各段階で取り決めた約束事を、生産者と組合員で審査し確認し合う制度。「産地直結」の安心を、科学的な検証と点検によって確かめる場です。認証委員は組合員ならどなたでも参加できます。