4月の生協品質~生産者の顔と、牛の顔が見える「牛乳」。

▲家族みんなでおいしい牛乳を作っている戸塚さん一家。「今後はTPPで外国産の安い牛乳が入ってくる不安もありますが、私たちは変わらずに良質な牛乳を作っていきます!」と3代目の戸塚隼人さん。

生協コープかごしまが誕生したのは1971年。当時は全国で深刻な公害や有害食品の被害が問題となっていました。「安全でおいしい牛乳をわが子に飲ませたい」というお母さんたちの切実な声によって牛乳の共同購入が始まり、それが生協の設立へとつながったのです。「コープ牛乳」はまさに子を想う母の愛情から生まれた商品。生協コープかごしまが誕生45周年を迎える今、改めてその原点に立ち返ります。

「わが子に安心でおいしい牛乳を」母の想いは昔も今も…。

1971milk01.jpgのサムネイル画像今から45年前、生協コープかごしま誕生のきっかけとなった“安心でおいしい牛乳”は、時代に合わせて進化しながら、現在は「コープ牛乳おおすみ」として私たちの食卓に上っています。豊かな自然に恵まれた大隅地域を産地指定し、信頼できる44軒の酪農家が提供する生乳だけを使った成分無調整牛乳は、「味が濃くておいしい!これを飲んだら他の牛乳はもう飲めない」と組合員からも大好評。
160401mycoop-002.pngそのおいしさの秘密を探るべく、鹿屋市の生産者の一人、戸塚隼人さんを訪ねました。今回は搾乳作業も見学できると聞いて期待もふくらみます。

美しい山々が連なる高隈山を背景に、赤い搾乳舎が牧草地の緑に映える「戸塚楽農(らくのう)」。
現在、戸塚さん夫婦とご両親、義理の弟さんの5人が中心となって190頭の乳牛を育てています。
160401mycoop-003.png「当たり前のことですが、質のよい牛乳のもとになるのは健康な牛です」と隼人さん。戸塚楽農ではパソコンと連動した歩数計を牛の脚に取り付けて体調を管理し、さらにエサやりや牛舎の掃除の時には牛の様子を観察して、人の目でも健康状態をしっかりチェックしています。
▲搾乳作業は女性陣の担当。男性陣は、この間に牛舎の清掃を行います。
搾乳作業は朝4時半からと夕方16時半からの1日2回。
戸塚楽農では回転式の大型自動搾乳機を導入しているため、100頭もの搾乳作業を2~3人で行うことができます。
▲県内では戸塚楽農にしかないという最新式のドイツ製大型搾乳機。パンパンにお乳が張った母牛たちは早く搾ってほしくて自分からゲージに入っていくのだとか。20頭ずつ入る搾乳機のゲージに収まった牛たちがレーンを1周するうちに1頭当たり約30リットルの生乳が自動で搾られ、管を通ってそのまま冷却タンクに送られるので、一度も人の手や空気に触れることがありません。
▲学校から帰ってきた娘さんも慣れた手つきで搾乳機を取り付ける。こうして集められた新鮮な生乳は、「南日本酪農共同株式会社」の工場へ運ばれます。他の原乳と混ざらないよう、朝一番に洗浄したての機械で加熱殺菌処理したのち、大隅地域産の生乳100%の「コープ牛乳おおすみ」となって私たちのもとへと届けられるのです。

高校生を筆頭に4人のお子さんがいる戸塚さん。「うちでは子どもたちがまだ赤ちゃんの頃から搾りたての牛乳を飲ませてきました」と奥様は話してくれました。
カルシウムやたんぱく質などが豊富な牛乳は、今も昔も育ち盛りの子どもには欠かせない栄養食品ですが、生協コープかごしまが誕生した頃には“第二の主食”と呼ばれるほど重要な意味を持っていたそうです。
当時のお母さんたちに想いをはせながら、たっぷりの栄養と母の愛情が詰まった「コープ牛乳おおすみ」を親子で飲んでみませんか。

(取材・原稿 西郷郁子)

160401mycoop-007.png

▲豊かな自然と広い土地に恵まれた戸塚楽農では牛のエサとなる牧草も自家栽培。栄養たっぷりの牧草が牛乳のおいしさの決め手。